Masters and Grand Masters

シャムバーラマスター達と自制力

シャムバーラの道（Pathway）とは、生きとしいける者が命の涯まで歩む道であります。その道はまた融合（Integrity）を通しての自己完成のため一生を辿る道でもあります。この道が目指す核心の基礎は、五千年を越す永い時の流れに一人のマスターから次のマスターに受け継がれてきました。

マーシャルアーツ（護身武術）を通して何世紀も受け継がれて来たこの核心とはそも何物でありましょうか？ それは言うまでもなく心の窓を開き且つ清浄にし、同時に体を鍛錬強化する生への道、そのものです。

それはまた心と肉体を一つにし、やがては精神力のたゆむ事なき向上を齎すダイナミックな経路でもあります。そしてこの強化された精神力こそ、シャムバーラマスター達がものを感じ、考え、話し、行動するすべての動きのための道しるべになるのです。

こういう指導理念がシャムバーラマスター達にもたらす重要な寄与のひとつが、即ち自制力であります。後から後悔するような言葉と行為を犯す前に、一先ず止まり再考できる精神力がそれです。早かれ遅かれ私たちの行為が醸すところの結果を、一時とどまり前もって考えてみれる能力、それが“意識できる力”というものです。こういう自制力、または“止められる力”を弟子達に教えるのは、貴方の最も重要な責任であります。その結果弟子たちは行動する前に考え、そうするうちに彼らの思考、感情、言葉、そして行為の長短期に亘る効果を予め測り知る事ができ、自分と他人の被害になるような謀り事に誘われても、これをはっきりと拒む事が出来るようになります。

シャムバーラマスター達にとって個人的な発展と融和力（Integrity）とは決して曖昧で高踏な理想論だけではありません。これはあくまでも実用的、現実的生活態度であり、育まれた自己意識が自分と他人を修練し得る能力と相俟って、自らの生の価値と進歩的発展に寄与すべき決意を育てあげるのです。